クラウン(ピエロ)って本当に色んな種類の考え方だったり、パフォーマンスがあるんです。
その中でも僕がなりたいクラウン像ってのがあるんです。
今はクラウンと名乗っていない僕ですが、心の中はいつだってクラウン
BP ZOOMに感銘を受けて『あなたのクラウンを一生かけて探しなさい。それが見つかった時が引退する時だ!』と言われたのが15年くらい前。
その頃はクラウンとしての活動も行っていました。
今でも自分の中のクラウンを探し続けています。
僕が好きなクラウン、目指すクラウンを語る上でクラウンの歴史に触れた方が理解しやすいと思ったので、クラウンの歴史に着いて触れてみようと思います。
クラウンのルーツ
クラウンのルーツには色々な説があり、色々な見方ができます。
特にクラウンという言い方を取り除いてしまうと、その歴史は天井知らずで遡っていきます。
この前書いた”『クラウン恐怖症』(ピエロ恐怖症)これが原因なら日本は救われる可能性がある。“の中にでてきたアメリカの動画の中には古代エジプトとか、紀元前2500年と出ていました。
この話しは他でも、「クラウンの歴史は壁画の時代には既に存在している。」と言っている人がいる。と聞いた事があります。
おどけて人を楽しませる。これが人類の歴史の中でいかに重要な事なのかがわかると思います。
これは仮説ですが、もしかしたら世界最古の娯楽というのはクラウンの祖先だった可能性・・・ってありますよね♪
人が人を笑わせる。楽しませる。これが人類史上一番最初の娯楽である可能性・・・僕はかなり高いと考えています。
もしかしたら人類にとどまらず、猿やイルカなど、脳があってコミュニケーションが取れる全ての生物を含めて最も古い娯楽の可能性だってあると思います。
そしてこのクラウンの歴史は一度も途切れることなく現在まで続いているのです。
ちょっと広げすぎですかね( ̄▽ ̄;)
でも、いかに笑いが必要で、大切なものなのかということをクラウンの歴史が証明しています。
クラウンの種類は無限にある
そんなルーツをもつクラウンだから種類もスタイルも無限に存在するんです。
それこそどんな人間が尊者するの?と聞かれても、全てを説明しきれないのと同じです。
また、日本人、アメリカ人、ロシア人、フランス人など、国によって人の違いがあるように、クラウンの世界も国によって違いがあります。
更に団体によっても違いは存在します。
時代によっても違いがあります。
どれがあってて、どれが間違っている。こんなものも存在しない(するべきでは無い)と考えています。
何が言いたいかと言うと、
クラウンとはこうあるべきだ、とかこうしなければいけない。という決まり事は大きな意味では無いのです。
(団体毎に細かいルールが存在する所はありますけど( ̄▽ ̄;))
もちろんクラウンの型というのはそれぞれ存在するので、それらを学ぶ事は大切です。むしろ勉強した方が良いと思います。
要するにクラウンは自由なのです。
ただ1つ共通して存在しているものが、
人を楽しませたい。笑わせたい。そういった心なんです。
クラウンメイクの歴史
日本では可愛いキャラクターのイメージが強いクラウンですが、その原点は少しダークなお話しになってしまいます。
オーギュストと呼ばれるクラウンメイクがあります。
(『アルジェントさーかす』のアルくんの顔がオーギュストです)
これはギョロ目で大口で赤鼻である人間の顔を誇張して書いているのです。
要するに元々は身体障害者(奇形児)がモデルになっている。と考えられている説があります。
これは社会風刺を唱えることで目を付けられたり、殺されるとされた時代にお芝居の中で知的障害者を登場させて政治や王族などの悪口を言ってコメディに変えてしまい、罰を逃れると同時に広く広めていきたいという考え方から起こったそうです。
アホが言うのだからしょうがない。バカが言うから笑いになる。
という点を利用した社会批判の物語りだったそうです。
こうしないと公演中止となったり、殺されてしまったりするので仕方なくと言う事と、こういった作品の方が人気が出て夜に広まりやすい。
というふたつの考え方から身体障害者や精神障害者が大衆娯楽にたびたび登場するようになり、
その象徴となるようにギョロ目で大口で鼻が赤いオーギュストクラウンが人気を取って行くようになったと考えられます。
ですが演じる方としては障碍者であったり、アホであったり、バカを真剣に演じ切らないといけません。
クラウンの悲しみ
見てくれだけではなく、その内面も演じていきます。
人から虐げられて、バカだのアホだの言われ続けた人物を演じるのです。
本人は真剣にまじめに社会と溶け込もうとすればするほど周囲の人からは笑われていく。そういった人物を演じる必要があったのです。
そのため、人一倍人の苦しみを知り、悲しみを知っている。そんなキャラクターなのです。
だから僕が好きな海外クラウンが悲しいシーンを表現するときは、ものすごく感動します。
クラウンのセンチメンタルなシーンは大好きです。
そんなクラウン達がおどけて笑わせてくれるから、
「悲しまないで!楽しく笑っていこうよ!!」というメッセージが強く心に刺さるのです。
クラウンの笑顔
クラウンを演じてる人で、子供心を大切にしている人は多いと思います。
子供の放つ屈託のない笑顔、これには心をこきめかせられます。
それと、先ほど述べたクラウンメイクの歴史とも大きく関係があるのですが、
たとえ大人であっても、知的障碍者の中には何かに無心で一生懸命取り組んでいたり、相手の事だけを考えて見返りを求めないで頑張っていたりする方が実際に多いです。
これは『からふる・ぽけっと』時代にそういった福祉施設をたくさん回ったことや、その時こういった人たちを楽しませられる。ということを知り、『からぽけ』を抜けた後もそういったところでパフォーマンスを行ったり、知り合いのそういった人たちとかかわってきたので、自分自身の体験からもわかっています。
おそらく先人のクラウン達もそういった方たちの心を打つ姿を見逃さなかったのでしょう。
この子供と障碍者の共通して持っている
『純粋無垢なこころ』この心模様から出てくる、飛び切りの笑顔
これが僕は大好きです。
ここまでクラウンについていろいろ書いてきましたが、僕の好きなクラウン、なりたいクラウンについてまとめます。
まとめ
- 人の持つ悲しみや苦しみを人一倍理解しているがために笑ってほしい。楽しんでほしい。という気持ちがすごく強い。
- 純粋無垢であるために心から楽しむことができ、飛び切りの笑顔を持っている。
- 笑顔が笑いがいかに大切であるか知っていて、笑いが持つ力を何よりも信じている。
- 何かに縛られることなく自由である。
こういったクラウンに僕はなりたいと思っています。
その為には当然もっともっと勉強しないといけないですし、まだまだ足りないことがあります。
自分のクラウンを探す旅はまだまだ終わらないです。
おすすめ映画
ここでクラウンだ出てくる映画や、歴史を知るために見ておいた方がいいお勧めの映画を紹介させていただきます。
ピエロの赤い鼻
BP ZOOMの Bernie が出演している映画です。
クラウンが登場するシーンの作品などにも監修しているそうです。
この映画の中でクラウンをやっているのは、俳優さんですが、ドイツ兵として出演しています。
ストーリーもよくて、是非見てもらいたい映画です。
パッチアダムス
ケアリングクラウンのお話しです。
実在したパッチアダムスの半生を描いた映画で、愛に満ち溢れた感動の作品です。『からふる・ぽけっと』を立ち上げた時にケアリングクラウンを理解するために一番最初にじっきぃから進められて見た映画です。
地上最大のショウ
リングリングサーカスがモデルの映画で、ここにもクラウンがキーマンとして出てきます。
150年の歴史に幕を下ろしてしまったサーカスリングが3つある巨大なサーカスで、伝説のサーカストレインのことも出てくるので、サーカス好きの人にはたまらない映画です。
道
フェデリコフェリーニ監督の映画
これ超おすすめです(*゚▽゚)ノ僕も何回見たかわかりません。
イタリアの大道芸人のお話しで、クラウンを演じるシーンは少ないですが、大道芸や旅芸人やイタリアの昔のサーカス事情などを知るにはもってこいです。
大道芸人やそれを取り巻く周囲の人々事情が理解できてしまうだけに、心にぐっと来てしまいます。
サーカス チャップリン
チャップリンの名作 この作品に出てくるクラウンのしぐさがかわいいことかわいいこと♪クラウンギャグもサーカスでやってそうな作品が出てきます。
だけど、その上を行ってしまうチャップリンのドタバタ喜劇は絶対に見ておいた方がいいです。
他にもホラー映画とかもあるのですが、アメリカで起きているクラウン恐怖症の風評被害で日本のクラウンが活動できなくならないように、ここでの紹介はいないでおきたいと思います。
もし他にクラウンが出ていたり、クラウンの話が出てくる怖くない映画知ってる人がいたら是非教えてください。
追伸
僕が『ハッピーメリーサーカス』や『アルジェントさーかす』を行うときに僕は主役でなくてもよい。と考えています。
これは恐らく前に描いたピエロッタの物語の影響だと思います。
この考え方もクラウンの物語の影響だとすると、やはり僕を語るうえでクラウンを外すことはできないですね♪
GEN(ジェン)
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