面白いって何だろう?
ぱっと思いつくことは笑えることだ!
面白い話し、面白い動画、こういったことで検索をかけてみると笑える内容のものが多い。
だけど面白いという言葉が持つ意味はそれだけではない。
僕が一番最初にそのことを考え出したのは、演出家の 串田 和美(くしだ かずよし) 氏が言った言葉からだった。
「面白い作品を作ることが大切なんだ。だけど面白い作品とは、笑えるものだけではない。くそ難しいなぞなぞを面白がって解くこれも面白いことなんだ!」
これはストリートアーティストアカデミーで第1期か2期の最終日に橋本孝雄氏と串田和美氏対談をしたときに話していたことだ。
我々パフォーマーも面白かったといわれるようなショーがしたい。
コメディーはわかりやすい。観客が笑えば面白かったのであろうし、笑わなかったらつまらなかったと判断する事が出来るからだ。
だけど当然コメディーではないシーンもある。こういったシーンが面白いと言われるようにするにはどうしたらよいのであろうか?
串田氏からこの言葉を聞いて、漠然とこの辺を考えるようになった。
面白いと言われるものにはどのようなものがあるのだろうか?
面白いが頭に付けられる言葉
画像・漫画・動画・ブログ・話し
この辺は笑えるものという意味で使われていることが多そうだ。
ゲーム・映画・ドラマ・ニュース・おもちゃ
このへんは笑えるものだけではなさそうだ。「面白い」という言葉を使わないで表現するとしたら、「興味を持たせる」が妥当であろうか?
仕事・事件・数学・論文
この辺になると笑える要素は殆ど出てこない。「熱中できる」と置き換えられる。
ホテル・カフェ・職業・間取り
この辺になると「予想外な」とか、「意外な」と置き換える事が出来そうだ。
資格・広告・建物・折り紙
この辺は、「変わった」「珍しい」などがあてはまる。
こうやってみると面白いという言葉にはいろんな意味が含まれていることがわかる。
「笑える」「興味を持たせる」「熱中できる」「予想外な」「意外な」「変わった」「珍しい」
このキーワードだけが含まれる作品を作る事が出来れば、面白いショーを作ることはできそうだ!
今度は反対語から考えてみよう。
「面白くない」どういうことだろうか?
「つまらない」「愉快ではない」「退屈」これらの言葉に置き換えることができる。
要するに「心が踊らない」という事である。
では、「心が踊る」とは、どういう事なのだろうか?
「ワクワクする」「先の展開や話しが気になる」ということだ。
要するに先の展開を予想(想像)させる、予想(想像)したくなるように仕向ける。という事になる。
予想(想像)させた上でその通り進んで共感させたり、裏切ったり、驚かせたりする。そうする事によって観客は更に予想(想像)したくなっていく。
そして、裏切る時の落差があればあるほど、驚く内容が有り得なければありえないほど、観客は心を踊らせていくのである。
気がついた事
それは全て新しい知識を得た時に起こる感情だという事!
- 新しい知識
- 予想外な知識
- 変わった知識
- 人の考え方
- 人の行動
これらの事を自分の知識と比較して共感したり感心したり感動したりするのである。
演者は何かを与える。観客はそれを見て自分にとって有益なものかどうかを判断し、有益だと思えば面白がる。無益だと思えばつまらないと思う。
当たり前の事を当たり前のように行っているとそこには新しい何かは発生しない。
大切なことは、観客にとって新しい何かを発見できる事なのではないだろうか?
だとしたら大切なのは演者や作り手の深いこだわりなのだと思う。
- 考え方のこだわり
- 見せ方のこだわり
- 世界観のこだわり
- ネタへのこだわり
- 音楽のこだわり
- 衣装のこだわり
- 道具のこだわり などなど
こういったこだわりが多ければ多いほど、深ければ深いほど面白いと思う人は増えて行くのだと思う。
面白いと思う事は人それぞれ
全ての人に共通して面白いと思われるものは恐らく存在しない。
だが、パフォーマーが自分で面白いと思う事をやれば、それを面白いと思う人は必ずいる。
だが、演者の知識が浅いと「そんなの知ってるよ!」と、興味を持たない人も出てくる。
その為、研究し徹底的にこだわる必要がある。
更にこだわるところはひとつではなく、沢山あった方が興味を持つ人は多くなるだろう。
ショーを作る時にこの辺の事を考えて作ればきっと今よりも面白いショーを作る事が出来ると思う。
僕自身この記事を書いて新たに気がついた事もあるので、自分のショーにも取り入れて行きたいと思います。
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