僕は芸歴20年のパフォーマーです。
この道1本で生きていて、当然プロとして活動しているし、プロとしての自覚もあります。
そんな僕によくある質問の中に、「プロになる為にはどうしたら良いですか?」とか「プロになる条件てなんですか?」
と聞かれることかあります。
そもそもプロとはなんなのであろうか?
プロとアマの違いってなんなのだろうか?
今回はこの辺について考えてみたいと思います。
プロになるとは?
3つの考え方があると思います。
- 自分がいつプロとして名のるべきなのか?
- プロとして認められるのはどの段階なのか?
- お客さんやクライアントはどう見ているのか?
1.自分がいつプロとして名乗るべきなのか?
これは覚悟の問題です。
プロとして責任を持つ。
プロとして客を楽しませることに責任を持つ。
プロとして現場に責任を持つ。
プロとしてパフォーマンスと向き合う。
プロとして・・・
いろいろな大切なことがあります。
これ等の事にプロとして活動していくことを宣言する。
その覚悟があることを宣言する。
自分がプロです。ということはそういうことだと僕は考えます。
なので、「いつプロと名乗るべきか?」という質問に対しては、その覚悟が出来た時。と僕は答えています。
「これ一本で活動している。」とか、「生活費の割合がどれくらい行ったら。」とか、「ギャラをいくら以上貰えるようになったら。」ではありません。
プロとしての覚悟があるならば例え現場数が少なくても、プロと名のってよいと思います。
また、プロと名のりを上げることによって、その自覚が出てくることもあるので、いずれなりたいと思うのであって、活動しているのであればもうすでにプロと名のるべきだと思います。
僕から言えば、「アマチュアです。」ということは、現場や見てくれる人に対して責任を持つ気がありません。と言って言うようなものです。
たまに聞きますが、「アマをなめるな!アマチュアだって・・・」という人や、そういったブログなどを見ることがありますが、「いやいや!その考え方はもう立派にプロだよ!」と思う人が結構います(笑)
責任を持てないのに「私はプロだ!」と言ってる人よりも、全然あなたの方がプロですよ!と言いたくなることがあります。
もちろんこれは僕の考え方なので、一般的にはどうだ?というのは分らないし、人それぞれの考え方があるので、それを否定する気もありませんが、少なくても僕が運営するHMC(ハッピーメリーカンパニー)から派遣するパフォーマーや、ハッピーメリーサーカスのメンバーにはその自覚がない人を使う気はないです。
ちょっと責任につてのお話をします。
『出演依頼を受ける。』ということは、
例えギャラが発生していない現場であったとしても、そのイベントを企画した人たちの想い。費やした時間。かかった費用。
さらに言うなら、そのイベントを見に来たお客様の想い。費やした時間(現場の滞在時間や、移動時間など)。かかった費用(交通費・宿泊費・入場料(チケット代)・現地での食費などなど)。
出演依頼を受けたということはそれらに責任を負うということになるのです。
また、「この現場は合わない。」と思ったら、断ることも大切な責任の範囲だと思います。
2.プロとして認められるのはどの段階なのか?
1.の覚悟は当然必要なのですが、それだけだと勝手に名のってる域を超えません。
大切なのは、周りがプロとして認めてくれる。認めてもらえるような行動をとる。という事なのです。
これにはいろんな人のいろんな意見がありますが、僕が良く言うのは・・・
「ギャラが発生した現場をこなして、リピートが来たとき!」
これ、まぎれもなく相手はプロとして認めてくれてますよね!
プロだと名のり、ギャラを頂いて現場をこなし、「あいつは良くない!もう呼ぶ必要は無い!」という評価だと、これはプロとしては認めてもらえていない。ということになります。
勿論毎年違う人を呼んでいるからリピートはあり得ない。という現場もありますが、リピートが来れば (もう一回来て!と言われれば)少なくてもその現場からは、プロとして認めてもらえた。ということになります。
こういった現場が1現場よりは2現場そして3現場、4現場と増えていくことがプロとしてのレベルが上がっていった。と考えてよいと思います。
3.お客さんやクライアントはどう見ているのか?
実はこれが一番大切なのです。
結論から言うと、プロであろうが、アマチュアであろうがお客さんやクライアントからしたら関係ないのです。
唯一違うと思えるものは、発表会・・・ですかね?
特に子供たちの発表会は全く違うものになってくるとは思います(;^_^A
競技会はちょっと微妙です。ものによって異なってくると思います。
スポーツジャグリングの競技会、大道芸のコンテスト。同じ競技会でも、全く別物ですから・・・(;^_^A
それ以外はお金を払っている事実も変わらないですし、時間を割いてパフォーマンスを見ているという事実も変わらないです。
これは、ギャラも投げ銭も同じです。
ショーを見た人が面白いと思えばまた「パフォーマンスや大道芸が見たい!」と思ってくれるし、
つまらないと思えば「大道芸やパフォーマンスはつまらない!もう見たくない!」と思ってしまうのです。
お客さんはプロなのかアマチュアなのかそんなことは関係ないのです。
もっと言うと、そこにはパフォーマンスレベルも関係ないのです。
芸歴が短ければへたくそなのは当たり前です。
そんなことはお客さんもわかっています。
へたくそでも、応援したい!と思う人もいます。
大切なのは、見る人に対する思いやりなのです。
見る人の事を思ってショーを行っているのか?
自分の技や作品を見せびらかせに来ているのか?
ここには大きな違いがあり、見てる人にも敏感に伝わります。
見る側にとっては、プロであろうがアマチュアであろうが関係ないのです。
「見る人に対する思いやりを持たないといけない」これもプロもアマチュアも関係ありません。人前に立つ人全てが持たないといけないことなのです。
ここで一つ最近問題になっている例をあげてみたいと思います。
それは、『クラウン恐怖症』
ITなどのホラー映画でクラウンを使うことによってクラウン恐怖症になる人が増えている。ととらえている人が多いと思いますが、実際にクラウン恐怖症の人に話を聞いてみたことがあります。
それもおそらくは今までで15~20人位の人に話を聞いています。
そうするとほとんどの人が「小さいころにクラウンに追い掛け回されたなどの恐怖体験がある。」と答えました。
メモに残してないので、正確ではありませんが、「クラウンの顔が怖い。」という答えだけだった人は、2~3人位だったかな?
ホラー映画のせいで怖くなったという人はいませんでした(;^_^A
まぁクラウン恐怖症の人がクラウンが出演する映画を見るはずがないので、そういった人たちが、もしクラウンが出てくる映画を見れば余計嫌いになるとは思いますが・・・(;^_^A
これはどういうことなのでしょうか?
おそらくは、「ほら!ピエロさんだよ!」「子供たちに大人気のピエロさんだよ!」などと、
アマチュアの人、もしくは志はあるけど、勉強不足のプロの人、あるいは、ピエロのコスプレやお面をかぶった人たちが無防備に子供に近づいて行ったり、子供が逃げ回る姿を見ている大人たちが笑うから、という理由で余計にやりすぎてしまった人たち。
が原因ではないかと思います。
勿論本人たちに悪気がない事は分っています。
だけど、子供たち(見ている人たち)からしたらその人たちがプロであろうとアマチュアであろうと関係ないのです。
ここにもし、相手に対する思いやりがあったらどうでしょうか?
一歩近づいた時点で相手が怖がっているのかどうかわかります。
怖がっていたら、無理に近づくことはしないと思います。
思いやりがなく、自分の想いだけで見てる人に近づいて行ってしまう。
これがクラウン恐怖症を作り出した大きな原因の一つではないかと僕は考えます。
クラウン恐怖症の事を例にとりましたが、これはクラウンに限ったことではありません。
プロであろが、アマチュアであろうが、見ている人が好きになれば、パフォーマンス業界全体のプラスになります。
逆に見ている人が嫌いになればパフォーマンス業界全体のマイナスになってしまうのです。
人前でパフォーマンスをしたいと思った時点で、頭のどこか片隅にでもこんなこと言ってた人がいたな!と思っておいてください(人>ω<*)オネガイシマス!
GEN(ジェン)
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